「筋トレはスポーツで使えない見せかけの筋肉が育つ」「自重トレーニングは良いけどウエイトトレーニングは使えない筋肉になる」なんて迷信をよく見かけるし、実際に言われるのでそれについて個人的に思う事を書いておきます。
自分のトレーニングのやり方次第だと思います。
「自重トレーニングで使った筋肉は使えるけど、フリーウエイトで作った筋肉は使えない!」って言う人もいますが、僕にはその理屈はわけがわからないです。
今回はそれについてブツブツ書きたいと思います。
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もくじ
自重とフリーウエイトの違いは?
自重トレーニングと言えばスクワットや腕立て伏せが挙げられますよね。
フリーウエイトトレーニングで同じ筋肉を鍛えるとしたら、スクワットでバーベルやダンベルを担ぐタイプと、ベンチプレスになります。
スクワットで重りを持って何が変わるか?
変わりません、重くなるだけです。
体重60kgの男性が行うスクワットは、60kg分の負荷をかける事しか出来ません。そこでちょっとした重りを加える事によって、70kgにしたり80kgにする事が出来ますよね。
仮に50kgのバーベルを担いでスクワットをするとしたら、60kg+50kgで合計110kgの負荷になります。これは自重だけではそうそう出来る負荷ではありません。
ただそれだけの違いです。それ以上も以下もありません。言うまでもなく、あまりにも負荷を与え過ぎると筋肉や関節がぶっ壊れるので、増やす負荷は自分の肉体と相談して決めて下さい。
負荷で筋トレの質は変わっても使えない筋肉にはならない
例えば体重50kgの女性と、体重70kgの男性では、最初から20kgの体重差があります。その時点でスクワットの負荷は20kg差がある。公平にしようと思ったら女性は20kgのダンベルやらバーベルやらを担いで行う必要があります。
そして当然ですが、体重70kgの男性が増量して75kgになったらどんどんスクワットにかける負荷を上げる事は出来ますよね。
じゃあ、体重50kgの女性が20kgの重りをもってスクワットを行った70kgの負荷のスクワットですが、これで「使えない筋肉を育てている!」って言ったら、最初から体重70kgの人は自重のスクワットの意味がなくなってしまいますよね。
当然負荷が重ければ重いほど、筋トレの質は高まります。ですがそれによって「使えない筋肉になる」なんて事はありません。当然ですが「重い負荷に耐えられる筋肉になる」ってだけです。
要するに速筋が鍛えやすくなるってだけの話ですよね。速筋と遅筋についてはこれを参考に(笑)

速筋と遅筋の違いとは?自分が目指す肉体によって鍛え方は変えよう
自重とフリーウエイトの違いは?
当然ですが自重トレーニングよりフリーウエイトの方がマッチョになるには適しています。
このフリーウエイトと自重の大きな違いについては過去にまとめているのでそちらを参考にしてみて下さい。

自重とウエイトトレーニングの違いとは?どちらから始めるべき?
簡潔にまとめてしまうと、初心者向けで怪我がしにくく負荷の低い自重トレーニング、玄人向けで怪我はしやすいけど効果も高いウエイトトレーニング…と言う事になります。
ただこれはあくまで筋肉を増やしたい人向けなので、引き締まって太くない肉体になりたい人は自重トレーニングでも十分だとも僕は思います。
遅筋を鍛えてひたすら持続力を鍛えて、筋肉ムキムキにはならない…というのも選択肢としては十分有りでしょう。
マシントレーニングは使えない筋肉になる可能性がある?
「鍛えても使えない筋肉」と言われるものは恐らくマシントレーニングで鍛えたものになるのではないでしょうか?
何故ならマシントレーニングは動きが限定的にされるからです。スミスマシンで考えるとわかりやすいと思います。
マシントレーニングは効率が良い
スミスマシンは簡単に言うとベンチプレスなどが行えるものなんですが、その軌道が最初から固定されているものです。
オーソドックスなものだと、上下にしか動かせないものになります。だからバランスを崩してバーベルが落ちてきたりとか、そういう心配が一切ありません。
ちょっと角度を変える事によってバーをすぐに固定出来るので「もう無理だ!」と思ったら即座にそこでストップできるので、非常に効率よくオールアウトを目指すことが出来ますよね。
だから純粋に狙った部位に負荷を与える事が出来るので、そこは最大のメリットだと言えますよね。
動きが限定されるので全体的に鍛えられない
ただしスミスマシンは動きが限定されてしまいます。だからどうしても狙った部位以外は鍛えることが出来ません。
動きについては動画でチェックしてくれればよくわかると思います。
このようにマシントレーニングはやりやすく、動きが限定されていることが多いです。その代わりにインナーマッスルが鍛えられないのが最大のデメリットになります。
ベンチプレスはキープするのもトレーニングになる
ベンチプレスをやったことがある人はよくわかると思いますが、ダンベルにせよバーベルにせよ常にベストポジションにキープする必要があります。
そこで胸筋だけではなく様々な筋肉を無意識に使っているのです。
フリーウエイトトレーニングのデメリットにも思えるこの「他の筋肉も使ってしまう」点ですが、全身をまんべんなく鍛えると言う意味では非常に意味がある点なのです。
特に立って行うトレーニングにこれは大きく反映されやすいです。デッドリフトとか、完全に「物を持ち上げる動作」の練習になるので、重い物を持つことが多い人は練習して損はないんですよね。
個人的には男性はフリーウエイトトレーニングを行うのが最もベターだとは思います。
マシントレーニング=悪ではない
ただもちろん「マシントレーニングだけをやっていたら使えないかも」って言っているだけで、マシントレーニングを取り入れることが悪だとは言いません。
もちろんマシントレーニングで作った筋肉が絶対に使えない…とまでは言いません。
結局はやり方次第ですし、フリーウエイトと両方やったら何の問題もありませんよね?
筋トレは使えない筋肉が育つわけじゃない
トレーニングに関しては「これだけやれば良い」とは一概に言えません。あくまえ自分が持っている筋肉、筋肉を育てる意図、理想の肉体によって異なります。
何かしらのスポーツを行っている人は特に、マシントレーニングは微妙だと僕は思っています。自然な動きで鍛える方が良いならやはりフリーウエイトトレーニングで筋肉を育てて、その上で普段の競技用のトレーニングも行う方がベターですよね。
マシントレーニングは完全に他の部位を固定して「狙った筋肉だけをピンポイントで鍛える」ものになるので、そのマシンを扱うためだけの筋肉を育てる事になるからです。
そして自重トレーニングはいつも書いてますが、あくまで「自分の体重を使っているだけの怪我をしにくいトレーニング」と言う事になります。
大きい筋肉が欲しい場合は自重トレーニングでは足りませんし、逆に体を引き締めたいだけなら自重トレーニングだけで十分と言う事になるのです。
だからどれが良いとは一概には言えないのも事実です。
結局は自分のやり方次第
「筋トレなんかしても見せかけだけの筋肉が育つ」とは日本でよく言われるよくわからない迷信ですが、僕はそうは思いません。
確実に筋トレをした方が力は出ます。実際に僕が筋トレをするようになってシュート力が大幅にアップした経験もあれば、瞬発系の動きも取り入れたらPK時の動きも明らかに良くなりました。
結局はどのトレーニングを自分が取り入れるかなのです。
筋トレをやるにしても、ずっと同じトレーニングをずっと同じ調子でやるのと、日によってメニューも重さやスピードを変えるのとでは全く異なってきます。
筋トレをやる際に筋肉をしっかりストレッチさせているかいないかでも、大きな差が出るでしょう。
結局は「どのようにやるか」「全身をまんべんなく鍛えるか」「一箇所だけのトレーニングに終始していないか」などが大きな要因になると僕は思います。
例えばスクワットしかしてない人と、スクワット・デッドリフト・ベンチプレスをやっている人では筋トレの効果は全く異なります。
他にも全身の筋トレをしている人と、していない人では効果は全く違うわけです。他にも遊びでスポーツをしている人と、してない人では更に異なるでしょう。
柔軟運動をしっかり取り入れて、筋肉をストレッチさせてる人と、させていない人でも、また筋肉の仕上がりは異なるでしょう。
何に使う筋肉なのか考える
「使える筋肉」「使えない筋肉」の境界線をまず考える必要もあるでしょう。
例えば「喧嘩に勝つための筋肉」なら、喧嘩をしないと育ちません。
つまり殴る必要があるし、蹴る必要があるのです。相手を投げたいなら投げるための筋肉も必要でしょう。
パンチに耐えるには首の筋肉が必要です、そうやって用途によって鍛える筋肉を考える事も必要になってきます。
喧嘩に勝ちたいなら殴る運動をする
喧嘩に勝ちたくて鍛えるなら、そもそもサンドバッグを殴ったり、ミット打ちをする必要がありますよね。ウェイトトレーニングをすると同時に「実際に殴るモーションをする」必要があります。
蹴りを使うにしても、実際に蹴らなくては話になりません。その上でキックの時に使う腹斜筋をウエイトトレーニングで鍛える事になりますよね。
実際に自分が使いたい動作を繰り返す事が大事です。
それをしなければ「使える筋肉」とやらは育たないのです。その上でその動作に必要なウエイトトレーニングをすれば良いわけですよ。
自分に必要な筋肉を育てた上で動作も繰り返そう
例えば「野球に強い肩を作りたい」と思っているのに、投球フォームを一切取らなかったら「使える筋肉」が育つはずがありませんよね。
投球モーションに必要な筋肉を育てつつ、日々その動作を繰り返して練習する事で筋肉の動かし方を意識して使える筋肉が育つわけです。
だからどれも「実際に自分が使いたい動作を日頃から繰り返す」事が必要になります。
それを意識せずに「筋トレだけしていれば大丈夫!」とか思ってたら、そりゃ「使えない筋肉」になりますよね…って話なんです。
不要な筋肉はつけない
大事なのは「筋トレもしつつ、必要な動作も繰り返す事」です。そうすれば絶対に使える筋肉が育つはずです。
そして当然ですが、不要な筋肉をつけない事も大事です。例えば遅筋が必要なのに速筋を鍛えても意味がありませんし、逆も一緒ですよね。
ボクサーがわかりやすい例ですが、厳しい体重制限があるので余分な脂肪を一切つけずに遅筋の塊になってる人が多いじゃないですか、あれは1R戦うだけでも恐ろしいほど消耗するからです…。
実際やってみるとわかりますが、素人だと1Rでバテます。僕はバテます(笑)
そうやって「必要な筋肉だけつける」のも大事です。自分に必要な部位だけ重点的に鍛えたり、筋肉の質にもこだわったりすれば、必ず筋トレやウエイトトレーニングが無駄になる事はありません。
ちゃんと理解して行えば無駄にはならない
結局は「どこまで細部にこだわっているか」と言う話になると僕は思っています。
「これだけやれば良いや」と一つだけ行って、他には何もしない人は確かに「使えない筋肉」を育ててしまう可能性はあるんでしょうね。
どこまでもこだわって丁寧に肉体を鍛えている人の筋肉が使えない筋肉になるとは、僕は思いません。
柔軟性を重視したり、速筋を重視したり、遅筋を重視したり、必要な部位だけ強化したり、そういう知識をしっかり持って行えば問題はないはずですよ!!
「何も考えずに行う」のは一番無駄だと思います。これは筋トレに限った話じゃないですけどね。