ダンベルカールに非常に似た筋トレメニューで「プリーチャーカール」という物があります。
正確には専用のプリーチャーベンチを使って行うトレーニングですが、これは普通にベンチを使って似たような動作をする事が出来ます。
今日たまたまこのプリーチャーカールで無駄な事をしている人を見かけてしまったので、今回は「筋肉を伸縮させないトレーニングは無駄」って話をさせていただきます。
結構ジムで見るんですよ…これやってる人…もちろん狙いがあるなら良いんですけど、たぶん初心者が間違えてやってることの方が多いので、ツッコミを入れておきます。
スポンサードリンクもくじ
筋肉を伸縮させないと筋肉は育たない理由
今回僕が見たのはプリーチャーカールと言われるもので、その類似品のダンベルカールとなります。
普通のダンベルカールはこちらで紹介していますが、それとは別で肘にベンチを当てるやり方ですね。
ちょうど僕の大好きなkatochan33さんの動画があったので勝手に紹介します。こういうものです。
ではこのダンベルプリーチャーカールを例に無駄なやり方を紹介します。
ほとんど筋肉を伸ばしてなかった
僕が見た人は、普通のフラットベンチでプリーチャーカールをしていました。
ですがパッと見た感じ、肉体的にもダンベルカールを正しくやれば10kgもあれば十分、下手したら7.5kgだろうなーって思って見ていたんですが、なんとフラットベンチを使ったプリーチャーカールで15kgを持ってたんですね。
ぶっちゃけるとちょっとぽっちゃりした方なので「あー脂肪で筋肉隠れてるのかーすげぇなぁ」って思ってちら見したんですよ、僕はダンベルカールをしながら(笑)
そしたらまさかの45度ぐらいの位置からやってるんですよ、全然腕を伸ばしてない。それで必死な形相でやっておられると。
これだと支点になっている肘にめちゃくちゃ負荷をかけているだけで、上腕二頭筋は全然効いてないんですね。重さは全部肘に行ってますから。
「それは…怪我するよ…」と思って言いたくなったんですが、そんな事言ったらただのキモいウザい奴なので自重しました。だからアドバイスしたくなった気持ちを記事にしています(笑)
これぐらい伸ばして、筋肉を縮める。そして負荷が逃げない所でまた下ろす…というのを繰り返すのが正しいトレーニングの例になります。90度まで戻し切ると負荷が逃げちゃうので注意です。
伸縮してない時点で効果が落ちる
筋トレは伸縮する事によって効果を発揮します。だから伸縮せずに上記のように伸ばさず縮めただけだったりすると効果が出ません。
これとは全く逆の話で、可動域を広げる事で筋トレの効果を上げる事が可能です。
実際に僕も試してみたんですが、ベンチプレスの時にダンベルベンチプレスで可動域を広く取った(筋肉をめいっぱい伸ばしてから収縮させた)事で効果を上げる事に成功してます。
バーベルだとバーが胸に当たってあまり下げられませんが、ダンベルだと胸に当たるバーはないのでめっちゃ下げれるんですよ。これで胸筋をめっちゃ伸ばして、そこから持ち上げて収縮させる、これを常時力を入れてやる事で効果が上がった経験があります。
実際にやってみるとよくわかりますが、全く違いますよこれ。これが正しいトレーニングだと僕は思うのです。
重量が合ってないと伸縮は出来ない
これはどのトレーニングでも全く同じですが、扱っている重量が合ってないと筋肉の伸縮が出来ません。
また今回僕が見た「分不相応の重量でのトレーニング」の原因となっている「俺○kgやれるよー」についてちょっと批判をさせて下さい(笑)
扱える重量は身長と体重でも異なる
初心者はどうしても「○kg上げられるよー」的な重量にこだわってしまいますが、そもそも重量は体格によって異なるんですよ。165cmの小柄な男性と、195cmの大柄な男性では、扱える重量が違って当然なんです。
195cmで90kgの男性が、165cmで65kgの男性と同じ重量で張り合ってたら「君は無知だな」って言って良いです。そもそも扱える重量は体重によって異なるんです。
自分の体重の何%の重量を扱えるかで目安を取らなければいけません。
つまり90kgの男性と65kgの男性では、お互いに自分の体重と同じ重量の物を扱えたら凄いって事になる、そこから先の計算式も同じで何%かで計算しなければいけません。
90kgの男性が130kgでスクワットがやれたら130÷90=1.44444444444なので140%です。もし65kgの人が同じ130kgでスクワットをしていたら200%になってしまいます。ダントツで65kgの人の方が凄いって事になります。
同じぐらいの負荷は95kgぐらいですね。65kgの人が95kgのスクワットをしたら、90kgの人の130kg相当の負荷って事になります。
これを考えて欲しい、身長と体重はもちろん筋肉比によっても扱える重量は異なるので、単純に「俺100kgやれるよー」ってのは、一ミリも目安にならんのですよ…そら大きい人の方が有利に決まってるでしょう(笑)
扱える重量を他人と競っちゃダメ
だから扱える重量について他人と競ってはいけません。
全く同じ身長で体重も近いなら良いかも知れません。体格が違う人の場合は%で競うのはアリですけど、純粋な重量で競っちゃダメですよ。
基本的に筋トレは自分との戦いであり、他人との戦いではないのです。
怪我をしないように気をつける必要もあるので、僕は他人と競うのは否定派です。
もちろん同等の知識を持っている人と「俺はこれぐらい自分を追い込めたよ!」って競うのは有りです。そういう競い方は良いけど、重量で競っちゃダメですね。
伸縮が出来ない重量は合ってない証拠
僕の個人的な考え方ですが、伸縮が出来ない重量で筋トレをしても意味がありません。
スクワットにしてもそうですが、ほんのちょびっと腰を落としてすぐに戻っているようでは、ほぼやる意味がありません。
これだと何百回もやらないと効果は出づらい。
これぐらいしっかり沈めると、筋肉が伸縮されますよね。腿裏からお尻の筋肉まで伸び縮みしますから。
つまりしっかり伸縮出来ない重量だと「貴方には重すぎる」って証拠なのです。それが1~3回でもやれる重量なら、それはそれでパワー重視の筋トレになるから良いんですが…。
そういうのはこちらで紹介しています。
一番良くないのは、この「伸縮できない重量で1セット10回を大雑把にやる」という状況です。これだと全く効果が薄い筋肉トレーニングになってしまうというわけです。
だから「伸縮が出来ない重量でやってはいけない」って事になりますね。もちろんどこかで追い込むために1~2回しかやれない重量を扱うのは有りです。ただそれはあくまで「伸縮が出来る重量」に限られます。
重すぎるのは怪我を誘発する
例えば今回のダンベルカールと言うべきかコンセントレーションカールと言うべきかプリーチャーカールと言うべきか迷う例ですが、図を見ればわかるようにあからさまに肘に総ての重量が行ってしまっています。
これはフラットベンチを使っているせいでもあります。プリーチャーベンチならここまで全力で肘に負荷はいきませんしね…。
この使っているベンチが間違っているのも含めて、今回の例は完全に怪我を誘発するやり方になっているわけですよ。
「筋肉が伸縮する事が出来ない=筋肉が足りてない=関節を守る肉も足りてない」って事にもなります。
そうなると関節を痛める可能性も高い、更にやり方も間違えてダメなフォームにもなっているので、よけいに怪我をしやすいんです。
だから伸縮が出来ない重量で筋トレをするのは絶対にやめてください、怪我します。
自分に合った重量で正しいフォームで筋トレを!
何度も何度も書いていますが、筋トレは自分に合った重量で、正しいフォームで取り組むようにして下さい。
見栄なのか、少しでも負荷を上げたいのかわかりませんが、自分に合わない重量で間違ったフォームで筋トレをするのは本当に時間の無駄です。怪我をするだけですから。
- フリーウエイトトレーニングで扱う重量の調べ方は?必ず実際に自分でやってみて確認しよう
- ウエイトトレーニングで重量を上げる法則…10回を余裕でやれたら重くしよう
- 筋トレは重量を上げるより狙った部位に負荷を与えるフォームを目標に
これらの辺りでも熱弁しているので、気になる人はじっくり読んでみてください。
何度も書いているので重複してしまいますが、本当に見栄で重量を上げるのはダメです。重量なんて目安でしかないんだから、あくまで「自分がキツイ重量」でやらないと意味がありません。
そして正しいフォームからズレると効果が薄れ、そして怪我の原因になるだけです。
せっかく筋トレするなら怪我をしないように、正しいフォームで少しでも効果を上げて、楽しんでやって欲しいですね。